リトリーブにはエリアゲームの基本が詰め込まれている!

リールハンドルをグルグルと回すリトリーブ。

単純に言うと、キャスト後にルアーにアクションを加えながら、ラインを巻き取っているだけなのだが、実はリトリーブの中にこそ、エリアゲーム(管理釣り場)の「基本」から「神髄」までもが詰め込まれている。

そして、エリアゲームのトッププロたちの多くが、このリトリーブに、ただならぬこだわりを持っている。

画像: エリアゲームのトップを疾走し続けながら、エリアにおけるスプーンの巻きの概念を確立した立役者のひとりである、ロデオクラフトの森田大さん。

エリアゲームのトップを疾走し続けながら、エリアにおけるスプーンの巻きの概念を確立した立役者のひとりである、ロデオクラフトの森田大さん。

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エリアゲームのメインターゲットであるニジマスは、規則正しい一定アクションに反応する傾向が強い…と言われている。

ただし、注意すべきは、あくまでも「傾向が強い…」というだけで、「絶対にそうだ…」という訳ではない。状況によっては、イレギュラーアクションにしか反応を示さないこともある。

画像: 森田さんの巻きスタイルを後方から眺めた様子。

森田さんの巻きスタイルを後方から眺めた様子。

さらに、イワナやヤマメは、一定アクションよりも、イレギュラーを駆使した、リアクションで食わせるケースが圧倒的に多い。

にもかかわらず、エリアゲームのトッププロたちは「リールハンドルを一定に巻く」という動作に強いこだわりを持ち、そこを基本として、その上に複雑なゲームプランを構築している。

画像: ロデオクラフトが誇る天才・松本幸雄さんの巻きスタイル。ロッドを握る右手の、中指と人差し指のポジションが松本スタイルの特徴。実はこの2本の指の位置には深い意味がある…(詳細は別の機会に…)。

ロデオクラフトが誇る天才・松本幸雄さんの巻きスタイル。ロッドを握る右手の、中指と人差し指のポジションが松本スタイルの特徴。実はこの2本の指の位置には深い意味がある…(詳細は別の機会に…)。

いわば「一定巻き」はエリアゲームの土台にして根底なのだ。

もちろん、それには理由がある。

「一定巻き」は魚のために行う訳ではない!

誤解を恐れずに言うと、エリアゲームにおける一定巻きは、ターゲットである魚のために行っている訳ではない

では、何のための一定巻きなのか? という問い対する答えのひとつが「アングラーのための一定巻き」ということになる。

ハンドルを一定に巻くことによって、リールハンドルを回す左手(左効きの人は右手)、もしくはロッドを握る右手(左効きの人は左手)に伝達される、僅かなブルブル感を一定に保つことができる。

画像: 日本屈指の「スプーン巻き」のスペシャリストとして知られているロデオクラフトの福田和範さんの巻きスタイル。ロッドのグリッピングスタイルが独特。

日本屈指の「スプーン巻き」のスペシャリストとして知られているロデオクラフトの福田和範さんの巻きスタイル。ロッドのグリッピングスタイルが独特。

ブルブル感を一定に保つことによって、一定リズムから外れた「僅かな違和感」が魚からの、文字通りの「声」となってアングラーへ伝達される。

この際に、リールハンドルをキレイに一定に巻けないと、手元に伝わる振動にも、ブレと濁りが生じてしまう。

その結果、手元に伝達される情報が、純度の高い魚からの信号ではなく、手元のブレがもたらす、濁った信号と化してしまうキケンがある。

画像: 脅威の身体能力を誇るロデオクラフトの安塚壱也さんの巻きスタイル。小指と薬指の間にリールの脚を挟むスタイル。さらに左手の人差し指一本でハンドルノブを回し、すべての情報を指先に集約させている。

脅威の身体能力を誇るロデオクラフトの安塚壱也さんの巻きスタイル。小指と薬指の間にリールの脚を挟むスタイル。さらに左手の人差し指一本でハンドルノブを回し、すべての情報を指先に集約させている。

ちなみにトッププロになるほど、リトリーブ中の魚からの信号を察知する能力が研ぎ澄まされている。

その精度は「魚からの声」を通り越して、ときに「ラインを通して水中を眺める、もうひとつの目」を連想させることもある。

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情報の精度が次の一手のヒントとなる!

リトリーブ中の振動や違和感は、ラインを通して、ロッドガイドを経由して、ロッドブランクスを通過して、ロッドの握り手や、ハンドルを回している手元に伝達される。

そのため、トッププロたちはラインやガイド、ロッドブランクス性能はもちろんのこと、リールハンドルの素材や長さ、さらにはハンドルノブの素材や形状にもこだわっている。

ディスプラウトのマグナム高田さんの巻きスタイル。スプーンに限らず、クランクベイト、バイブレーション、ミノーとすべてのジャンルのルアーで、脅威の精度を誇る釣りを得意としている。

中には、リール内で直接ラインに触れるラインローラーの感度にもこだわり、独自のチューニングを施しているトッププロも存在する。

つまりは、それほどまでにリトリーブ中に得られる情報の精度が、エリアゲームのカギを握っていることになる。

トッププロたちは、一般的な「アタリ」という表現以外に「触り」という表現を多用する。

この場合の「触り」とは、アタリには至らないが、トラウトがある種の疑いを持ちながらルアーに軽く触れている状態。この段階ではフッキングに至るケースは少ないが、「触り」は多くのヒントを与えてくれる。

画像: アンダー1gの繊細なマイクロスプーンを用いて、ミリ単位のシビアな表層ゲームを得意とするノリーズの井上太一さんの巻きスタイル。薬指と中指の間にリールハンドルを挟むスタイルだが、グリッピング方法が個性的。

アンダー1gの繊細なマイクロスプーンを用いて、ミリ単位のシビアな表層ゲームを得意とするノリーズの井上太一さんの巻きスタイル。薬指と中指の間にリールハンドルを挟むスタイルだが、グリッピング方法が個性的。

こうした「触り」を疑いなく食べてくる「アタリ」へと昇華させるために、ルアーを変え、カラーを変え、スピードを変えて釣りを詰めて行く。

そのすべての基本が「一定巻き」から始まっている。

ちなみに「一定巻き」の大切さを誰よりも最初に提唱した、ロデオクラフトの森田大さんは、_「一定巻きはある意味、エリアゲームに限らず、すべてのルアーフィッシングにおいて大切な要だと思います!」と、遥か昔のインタビューで語ってくれた。


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