知っているようで知らないルアーフィッシングにおけるフックの重要性。ルアーマガジンソルトで取材した「ルアーフック」が刺さる仕組みの要点を特別公開。覚えておく価値アリのアカデミック&マニアック記事です。

エントリーアングルθ(シータ)とはなんぞ?

HFEのフカポンです。最近、ルアーマガジンソルト誌でフックの取材をしたのですが、久々に身を乗り出して取材させていただいたぐらい面白かったので、釣りPLUSでもかいつまんでご紹介したいと思います。

シータと言えばパズーでパズーといえばバルスなオッサンですが、まぁ、それは置いとくとしてフックの基本理論というか物理はこのエントリーアングルθを理解することにかかっているといっても過言ではありません。文章で書くより写真やイラストのほうがわかりよいと思いますので、ルアーマガジンソルト誌に掲載された記事を少し抜き出してみましょう。

画像: はい、この図をみればエントリーアングルθが何なのかは一目瞭然。ルアーマガジンソルト誌2017年8月号「タックル進化論」より抜粋。

はい、この図をみればエントリーアングルθが何なのかは一目瞭然。ルアーマガジンソルト誌2017年8月号「タックル進化論」より抜粋。

はい、エントリーアングルθとは(1)フックが刺さろうとする直線方向(ポイント先端の方向)と、(2)フッキングのための力が掛かる直線方向(ポイントの先端とフックアイを結んだ直線方向)クロスする部分の角度でございます。

このエントリーアングルθの角度の大小で、フックの性格がほぼ決まってしまうのです。これ、単純な物理でして、フッキング時のパワーはロッドからティップを経て、ラインに繋がり、ラインが結ばれるラインアイに伝達されるわけですが、フックポイントの向きに基本はフックは刺さろうとするわけです。

つまりは、エントリーアングルθはその掛かるエネルギーロスがどれくらいになるかの指標になるわけですね。だって、刺さろうとする方向と、刺すためにかける力の方向が基本チグハグなんですもん。

つまりはどういうコトだってばよ?

画像: ここではさらり。ロングシャンクのフッキング効率>ショートシャンクのフッキング効率。ロングシャンクのフッキングの機会<ショートシャンクのフッキングの機会

ここではさらり。ロングシャンクのフッキング効率>ショートシャンクのフッキング効率。ロングシャンクのフッキングの機会<ショートシャンクのフッキングの機会

これ、ロングシャンクのフックです。AとBの力のベクトルに生まれるエントリーアングルθと、アイの位置をよりショートシャンクであると仮定した時のAとCの角度、どっちが大きいですか? 

見ての通りロングシャンクよりショートシャンクフックの方がエントリーアングルθは大きくなります。

僕自身はもろもろの物理を知って、エントリーアングルθが大きくなるとフックが刺さろうとする効率そのものは悪くなると理解しています。逆に小さくなるとフックが刺さろうとする効率は良くなるはずです。

ん?じゃ、エントリーアングルθが小さいフックの方が優秀じゃね?と考えるのは早計。釣り方、釣る魚によって、このエントリーアングルθの役割が変わってくるのであります。

エントリーアングルθの大きさによる得手不得手 θちゃん大きい編

はい。極端な例(エントリーアングルθが大きい)からあげてみましょう。

画像: アジングのオープンゲイプフックの傑作として人気のある34のストリームヘッド。これを考察すると面白い!確かにオープンゲイプなんですが、アイのオフセット位置角度を鑑みると極端にエントリーアングルθが大きいわけではないのも面白いですねー。

アジングのオープンゲイプフックの傑作として人気のある34のストリームヘッド。これを考察すると面白い!確かにオープンゲイプなんですが、アイのオフセット位置角度を鑑みると極端にエントリーアングルθが大きいわけではないのも面白いですねー。

こちらアジングなどのライトゲームタックルをラインナップする34(サーティフォー)の人気フック、ストリームヘッドです。このフックを開発した家邉さんはオープンゲイプフックブームの火付け役ですが…。それは置いておきまして、オープンゲイプフックというのは極端にエントリーアングルθが広くなる傾向があります。で、理屈に合わないと敬遠する方も多いんです!(言って良いのか?炎上必死か!?)

理屈に合わない!という話があるコトを家邉さんにぶっちゃけて、話を聞いてみたところ「いや、だって、いくつもの試作を何度もテストして、最もアジに有効なフックということでたどり着いたのがこの形で…。フィールドの成果が答えです。フックの工場に頼んだ時は、長い歴史の中でこんな形状のフックはないと言われましたよ(笑)」

さて、じゃぁ、なんで理屈に合わないのか。でも、なぜストリームヘッドがアジングに良いのか。この辺のことを解きほぐしていくと、このエントリーアングルθの意味を理解できるかと思いますので敢えてしようと思います。

フックはそもそも魚の腔内に効率よく刺さり、ホールドする必要がある漁具です。必要以上にエントリーアングルθを広げすぎると、フックそのものに負担を与え、破損に繋がる可能性がありますので(刺さる方向と刺すための力の掛かり方が非効率なため)、より軸を太く、丈夫にするなど、フックにマイナスな方向の調整をしていく必要があるわけですね(本来は)。

フッキングのキッカケを生み出す針とは?

ただし、いい面もあります。エントリーアングルθが大きくなればなると、フックポイントが露出するためにフッキングのための機会(キッカケ)が増えるのであります。

アジングの場合、アジの口って他の魚にくらべて柔らかく、フックが刺さる場所って薄い皮みたいな部分に刺すわけで、ぶっちゃけ、フックポイントがキッカケを掴んだら、小さい力で貫通することができます。なので、フッキングの機会が多ければヒット率が上がる理屈は容易に想像できます。

画像: 薄皮構造のアジ様。確かに大した貫通力はいらない気はしますが。

薄皮構造のアジ様。確かに大した貫通力はいらない気はしますが。

あと、もうひとつ、アジって魚はルアーを吸い込んで吐くまでの時間が極端に短いが、水中に浮遊するモノを腔内にとりあえず(ひっきりなしに)取り込むクセのある魚でもあるわけです(フッキングのキッカケが多い=ヒットしやすい)。なのでオープンゲイプだと、フッキングの機会を得る抽選率が上がると考えることもできます。ふむ、アジング向き??

裏を返せば、口が硬くガッツリ刺す必要のある魚や、吸い込んだルアーをもぐもぐしちゃったりする魚にはあまり向かないわけです。ストリームヘッドは確かに細軸のワリに強度がありますので、充分釣りになる場合もありますが、わざわざその手の魚に「フッキングの機会が多い」という部分だけを抽出して使うのはリスキーと言えますね。ハイ、適材適所!

ただし、フッキングのための機会が多い反面、一度、フックポイントが魚の皮を捉えてもそのままプスっと点で貫通すればいいですが、オープンゲイプだと場合により皮を裂きながらフッキングしてしまうことも考えられるわけです。なにせ、フッキングさせるための力の方向と、刺さろうとする力の方向がチグハグ(力が分散される)ですから。これ、バレの根本原因のひとつ、身切れを誘発する原因にもなります。

オートマチックにフッキングしやすい構造でありながら、オートマ過ぎると、その皮を裂くフッキングになる可能性が増えるため、ちゃんとアワセはいれて点で刺したほうがいいジレンマ。ある意味ここが……。この手のフックがバレやすいと感じている方は、逆にそこを意識して使うとバレが減るという理屈にもなりますね! ロジカルな思考も時にはたいせつですしぃ!

ということで、次はエントリーアングルθが小さいフックの特徴を解説していきたいと思います。別にね、オープンゲイプ=アジングに最適ってわけでもないみたいなんですよ。自分の釣り方に合わせたフック選びが大事なんでしょうね! 今回はここまで!

<関連記事>


[釣りPLUS]>> HOME


This article is a sponsored article by
''.