元中日ドラゴンズのエースにして50歳まで現役を続けたことで、プロ野球の歴史にその名を刻んだ山本昌氏。その昌氏、玄人はだしのラジコンを始めとした"Mr. 趣味人"としてもよく知られているのだが、実は子どもの頃から「釣り」も趣味として楽しんできたのだそう。自身の"セカンドキャリア"をテーマに34のエピソードを綴るエッセイ集『笑顔の習慣34~仕事と趣味と僕と野球~』を内外出版社から刊行するにあたり、[釣りPLUS]スペシャルインタビューに応えてくれた。

<プロフィール>
山本 昌(やまもと・まさ)
1965年8月11日生まれ。1984年に日本大学藤沢高校からドラフト5位で中日ドラゴンズに入団。32年に及ぶ現役生活で3度の最多勝に輝き、1994年には沢村賞を受賞。2006年には史上最年長でのノーヒットノーランを達成(41歳)。以降も数々の歴代最年長記録を塗り替え、2008年には通算200勝を達成(42歳)。史上初となる50歳での登板を最後に、2015年に現役を引退。セカンドキャリアでは、野球解説者・スポーツコメンテーター、講演会講師として精力的に活動。ラジコン、クワガタのブリーダー、競馬など趣味の分野でも活躍中。


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のちの趣味人・山本昌少年と釣りとの出会いは横浜・本牧埠頭

――昌さんは、ラジコンやクワガタ飼育など、多彩な趣味で知られていますが、「釣り」もされるそうですね。

(釣りPLUSスタッフが持参した『ルアーマガジン』を開いて)こういう本、燃える、燃えるわぁ(笑) 先に食事選んでてください。僕は読むわ…(しばし熟読)。カミさんによく叱られるんですよ、「なんでそんなものを?」って。でもこういう趣味にはロマンがあるじゃないですか。大好きですね。

それにしても、釣りは需要があるんですね。(誌面を指しながら)こんなに大きなものが釣れるんですか? 55センチ。すごいなぁ。

画像: 釣りPLUSスタッフが持参した『ルアーマガジン』に食い付く(?)昌さん。

釣りPLUSスタッフが持参した『ルアーマガジン』に食い付く(?)昌さん。

――昌さんが釣りを始めたのはいつごろですか?

子どものころ横浜に住んでいたので、よく本牧埠頭で釣りをしました。兄が「釣りがしたい」と言い出して、父と兄と3人で行ったのがきっかけです。生まれて初めて釣ったのは、サバ。竹竿で釣りました(笑) 内海に垂らした釣り糸が引いて、ポーンと上げたらサバだったんです。たぶん食べたんじゃないかな。兄はその後も自転車でちょくちょく釣りに行くようになりました。ぼくも1500円程度の釣りセットを買い、兄にくっついて釣りに行っていましたね。

――なるほど。きっかけはお兄さんだったわけですね。そのほかに当時の思い出はありますか?

子どものころ僕はとにかく不器用で。仕掛けが作れないし、糸も上手く結べませんでした。僕が針をつけると魚にバレバレみたいでね(笑)。でも、釣りはワクワクするんですよね。少年時代は、明日釣りに行けるとなるとなかなか寝付けませんでした。それで布団の中で釣りの本を読みはじめると、もっと興奮してしまう。大人になったらそんな性分も変わるだろうと思っていましたが、結局変わりませんでしたね(笑)。

――少年時代の昌さんが、釣りのほかに夢中になっていたことはありますか?

横浜市内のとある観光名所には、よくザリガニ獲りに行きました。駄菓子屋で買ったスルメをエサにして。獲ったザリガニは、ビニール袋に入れると警備員に見つかってしまうので、帽子の中に入れてね(笑) ザリガニを持ち帰ってどうするかって? もちろん飼うんですよ。でもすぐに水が臭くなってしまって、あまり長生きはしてくれませんでしたけど。それから、ぼくの家の周りにはギンヤンマのヤゴがいたりして、そいつを捕まえたりもしました。

現役時代、野球も釣りもハーデストワーキングマン!

――その後昌さんは、どのように釣りと関わってきたのでしょうか?

本格的に野球を始めてからは、あまり釣りをする時間がなくなってしまいましたね。特に高校時代はほとんどできなかったと思います。

でも、プロ野球選手になってからはキャンプ先でよく釣りをしましたよ。例えば、オーストラリアのキャンプ地の近くには河口があってね。近くの店で3000円くらいの竿を買って、ルームメイトの矢野燿大さんと、練習後の夕方にキスやタイを釣っていました。潮の溜まりにはゴンズイがいて、そのアタリも楽しかったなぁ。で、夜8時ぐらいに釣りを切り上げて、釣果を近所の日本食レストランに持ち込んで、食べさせてもらう。10時くらいに部屋に帰ってシャワー浴びて寝る。翌日も10時から16時まで練習をして、宿舎に帰って釣りに出かける。そんな繰り返しもありましたね。

――かなりやり込まれていたんですね。驚きました。

寮住まいのころは名古屋港にシーバスを釣りに行ったなあ。名古屋高速の真下ですよ。湾岸線の。釣りは遠出する必要がありますし、相手が海ですから、現役の野球選手が思いっきりやるわけにはいかない。だから現役時代の関わり方は“ほどほど”でしたけど。

これからは磯釣りをやってみたいと思いますね。釣ったことがないんですよ。石鯛とかカンパチとか。もちろん安全な足場でね。

――中日ドラゴンズにも釣り好きの選手はいましたか?

和田ベンちゃん(和田一浩さん。現在は野球解説者)は無類の釣り好きでした。森繁和監督も釣り好きで、オールスター休みには船で海釣りに行くそうです。山井大介選手も釣り好き。彼も船で釣りに行っているようですね。

――野球界にも釣りファンは多いんですね。

沖縄でキャンプを張っている時には、「明日釣りに行くぞ」とチームメイトたちと竿を買いに行ったこともありました。北谷の58号沿いに釣具屋さんが2軒ほどあるんですよ。メンバーは、今中(慎二)くん、山﨑武司、小島(弘務)くん、落合(英二)くんたち。集合は午前2時でしたね(笑)

――それはキャンプよりハードかもしれませんね…。

職員さんに車を運転してもらって、あらかじめ調べておいた沖縄最北端の漁港に行きました。ところが、現地に着くと風が強くて防波堤から投げられない。あたりは真っ暗で、アタリもわからない。それで別の漁港に行こうよと。当時はカーナビもありませんから、迷いに迷って、どうにか辺士名漁港に着いたころには空が明るくなっていました。しばらくすると、地元の学校の登校時間になって、ぼくらを見た子どもたちが驚いていましたね。

そういえば、その時は落合くんがすごい魚を釣ったんだっけ。「落合が地球を釣ったぞ!」「あれ⁉ なんか動くぞ!」なんてみんなで騒いでね。そのとき釣れたのは、トロピカルなウマヅラハギ。ほとんど熱帯魚ですよね(笑)


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引退後はテレビ番組で釣り企画も。"趣味人"のセカンドキャリア全開!

――引退後は、テレビ番組のロケで釣りに行かれたとか。

不定期で出演させていただいている東海テレビの報道番組「みんなのニュースOne」の「シュザイブ とうかい」というコーナーで、ぼくが「釣りをやろう」と提案して、番組のスタッフの方に船を用意してもらったんです。真冬のロケで、おまけに当日は「落ちたら死ぬ!」というほど荒れた海でした。

画像: 番組収録時の写真。当日の海は大荒れで、さすがの昌さんも思わず“武者震い”⁉

番組収録時の写真。当日の海は大荒れで、さすがの昌さんも思わず“武者震い”⁉

――船酔いはしませんでしたか?

ぼくは大丈夫でした。でもマネージャーはぐったり横たわっていましたね。

――何を釣られたのですか?

アジですね。30匹以上釣れました。

画像: 引退後はテレビ番組で釣り企画も。"趣味人"のセカンドキャリア全開!

――海釣りのほかにも、昌さんはいろいろなロケに行かれているそうですね。

最初に出演したときのテーマが、「いちごスイーツ食べ歩き」でした。初めての食レポで緊張しましたが、やってみたら意外と楽しかったんですよね。それで、こちらから番組サイドに「これをやらせてください」と提案させてもらうようになり、いまは月1回ほどのペースで出演させていただいています。「焼肉」「健康診断」「カブトムシ・クワガタ採集」「ミカン狩り」「プロ野球キャンプ」など、いろんなところにお邪魔してます。

――昌さん側から企画提案までされるとは! すばらしい行動力ですね。ところで、今回発表された新しい本では、昌さんご自身の「セカンドキャリア」の生き方が、現役時代の背番号にちなんだ34のエピソードとともに紹介されています。

はい。今回の『笑顔の習慣34~仕事と趣味と僕と野球~』という本は、野球を引退して、ぼくはこんな感じでやっていますよ、というのをみなさんに見てもらいたいし、自分が楽しいと思うことを楽しんで、みなさんに喜んでほしい、という思いで書きました。

――本を通じて、昌さんが充実したセカンドキャリアを送られている理由がよくわかりました。この本に書かれた言葉は、「仕事」や「趣味」を今ひとつ楽しめていない現役世代、持て余した時間をどう使ったらいいかわからないシニア世代へのヒントにもなりそうですね。

今回の本は、そういうメッセージを込めて書いたつもりです。釣りという素晴らしい趣味を楽しんでいる[釣りPLUS]読者の皆さんにも、ぜひ楽しく読んでもらえるとうれしいですね。

山本昌さんの新著『笑顔の習慣34』(内外出版社刊)

ラジコン元世界王者とのスペシャル対談等、"cakes"でも記事連載中!


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